黄檗、もしくはキハダ、キワダについて

 図書館史の絡みで「図書の文化史」@明大駿河台図書館を見てたら、百万塔陀羅尼が展示してあった。百万塔はレプリカらしいが、ということは陀羅尼は真正か。
 なにか塗っていたので防虫に成っていたということで、「なにか」とは「黄檗」らしい。
 で、黄檗を調べたら、キハダ。ミカン科の落葉高木。「キハダ色」という色が日本の色見本に存在するらしい。
 まあこっちはパピルスでも写本でもなく羊皮紙やるのでいいのだが、念のためプリニウスの「植物誌」呼び出したら、あろうことかどうもキハダというか黄檗らしい記述発見。
 でもたぶん使わないからこっちにメモる。
 植物誌の第二章は21節の68段落から始まるが、これは「パピルスの発明」。ここでレポート的に使うのは70段落目のアレクサンドリアとペルガモンのパピルスがらみのごたごたが原因でペルガモンが羊皮紙が発明されたという下り。
22節はパピルスの生育地、23節が紙の製法、24節が紙の大きさ、25節が紙の仕上げ方、26節が製紙用の糊、27節がヌマ王の書について。
 黄檗もしくはキハダについての記述があるのは、この27節のヌマ王の書の85段落から86段落にかけて。

ヌマ王(伝説ではローマ第二代の王)の棺の中には書物が発見されたが、紙でできていてしかも地中に埋もれていた棺なのにどうやら完全な姿で残っていたらしい。
棺の中央には蜜蝋を塗った紐で周囲を縛った四角い石があって、その石の上部の窪みに件の書物(3冊)が置いてあった。そのために朽ちなかったのだが、しかも書物はキトルスで処理されていた。どうやらこの処理が防虫作用だったらしい、ということである。
注釈によると「キトルスで処理とは、普通はこの植物から採った油に浸すという意味だろうが、防虫用にこの植物の香りをつけることとも解釈可能で、葉に包んでいたのかという節もある」という。
 で、同じ第二章の29節が「キトルス村のテーブル」、30節が「キトルス材の特性」、31節が「キトルスと同名異種の木」とあって、29節と30節を読む限り、昔の日本人なら「これってクスノキじゃない?」と気がつくところだろう。木材の直径が大きい、船材に使われる、葉や香りや幹が糸杉に似ている、木は香木として燃やされることもある、というのである。
 そして、31節の「キトルスと同名異種の木」としてとりあげられているのが、レモンの木と書かれている。まさしく、黄檗もしくはキハダは柑橘類なのである。黄檗紙は日本においてはおそらく奈良時代から知られている防虫加工済の紙なので、つまり中国からの伝来。
 プリニウスのいうヌマ王の書というのがパピルスか中国伝来のものかは調べてみないと不明だが、つまりそういうことが考えられる。

 ……こっちもレポートで出すかな(笑)。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント