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zoom RSS 子供服の話

<<   作成日時 : 2011/11/24 00:49   >>

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 某所での講演会で。
「子供服って言うのは、”不思議の国のアリス”でのテニエルの挿絵からブレイクしたんだよ。それまでは大人の服のミニチュアだったんだから」との一言。
 えーと、”アリス”が手稿本から印刷されて公式に「出版」されたのが1865年だから、日本で言うなら慶応元年。もしくは4月頭までは元治2年。

 ほんとか?

 ということで、その当時の絵画の載ってる図録をあちこちひっくり返してみる。

 アッガス(Jacques Laurent Agasse)の描いた「遊園地」(1830)という絵画だと、ふくらはぎ丈のワンピースぽいものにたっぷりしたズボン状の物を穿いたり、ワンピースの上からスモックエプロン状の物を来ている子供服が見える。

 マネの「テュイルリー公園の音楽会」(1862)では正面の子供が赤いサシュを締めているのだが、そのドレスが膝下丈なのである。

 またドガの「ベレルリー家の肖像」(1860-1862?)では白い襟に黒いふくらはぎ丈のワンピース?にフリル付きのエプロンをつけた少女二人を含む家族像がある。

 このあと、モネの「ジヴェルニーの舟遊び(もしくは”ノルウェー型の舟で”または”ノルヴェジエンヌ号で”」(1887)では10代前半らしい少女の服装がかなり裾丈の短い服なのは見て取れるし、もうちょっと前の、ブークロー(William-Adolphe Bouguereau)の「貝殻(The Shell)」(1871)もふくらはぎ丈のドレスを着た少女像である。

 しかし、この画家達っていわゆる「本流」なんですよ。上流階級や中産階級が顧客だった肖像画家とかだし。テニエルは風刺画や捻ったテーマや動物絵で有名になったわけで。
 むしろアリスのあの姿は、すでに当時のおそらく(産業革命で出現した)中産階級に定着していた子供の服装だったんじゃないかと思われるんですよね。

 ところで、ウィキペディアに収録されている、ルイスが1860年に撮影したとされる”アリス”本人の写真だと金髪ではないしおかっぱ髪である。長じたアリスの写真をみても可愛さどころか「いかついオネーチャン」である(苦笑)。ほんとは貴族の血筋らしいけどね。
 アリスのあの「長い金髪」はテニエルと(彼はモノクロのペン画だったわけだが)ウォルト・ディズニーの理想....というか妄想だったのかもしれない。それっぽい肖像画って有名どころだと、クールベの「Three Young English women by a Window」(1865)なんだけどねえ。

 ちなみに、ネットで子供服の歴史でぐぐってみたら、ジャン=ジャック・ルソーの「エミール」が当時、幼児教育論として注目を浴びていた影響もあるとかなんとか。まぁ「エミール」はこの時代より百年ほど古いんですけどね。




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