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zoom RSS 公共図書館司書の存在意義は?

<<   作成日時 : 2011/01/16 23:19   >>

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 いま読んでる本。


図書館は本をどう選ぶか (図書館の現場 5)
勁草書房
安井 一徳

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 これ読んでて、なぜに選書ツアー(公募した利用者を書店に引率して、「こういうの入れたら?」ってご意見拝聴します、ってやるイベント)で揉めるのかと、そこんところがよくわからなかった。だって、買ってない本買ってよ、って未所蔵本をリクエストして、買ってもらってれば同じ事。予算も絡むけど、よっぽど変な本で無い限り(変な本でも)買うのが多い。特に都市部の図書館は。

 ところが、前回書いたポット出版で出してる「ず・ぼん」の15号に「今、アメリカの図書館でライブラリアンと呼ばれる職業が絶滅しつつある」という、出版ニュースの記事が転載されている。これ読んでると、レファレンスも、ネットがあるからある程度以上は必要がなくなってる。おそらく古い、まだ電子化されてない資料だけに、司書のレファレンスの意義があるんだろう。新しいものは、おそらくもうあっというまにウェブに出る。行政資料だろうが、論文だろうが。それこそ国会図書館やCiNiiのデータベースからある程度の情報は引き出せる。原著は図書館にコピーを頼む場合もあるだろうけど。ま、記事は大学図書館の話だったんだけど。

理想書店:「ず・ぼん15-7 今、アメリカの図書館でライブラリアンと呼ばれる職業が絶滅しつつある」263円

 司書ってのは、選書と蔵書管理(資料の分類仕分けと保存と提供)とレファレンスが大きな仕事。で、そういうわけでレファレンスはそろそろ仕事量が減る。古い資料のレファレンスと書いたけど、あとはデジタル音痴とか情報弱者とか言われる人たちに向けてのレファレンスサービスだろう。

 資料というか蔵書管理は、ある程度の仕事にはなるが、それもそんなにおおごとな仕事量じゃない。書架整理と蔵書の修理であるが、修理って今じゃ専門業者がいる。いや、図書館総合展に去年行ったら、某文具メーカーがそっちに進出してたのである。たしかに生き延びるに適した方面。カウンター仕事といわれる、貸出返却も自動化機械は開発され、保存書庫もうっかりすると機械化してる。

 分類は、いまじゃTRCとか日販とか大阪屋が図書館にMARCを納める時にもう基本部分はやっちゃってるし。館ごとの特殊排架で若干変動がある程度のはず。
 
 となると、選書くらいなんである。図書館司書が司書として矜恃をもって仕事できますって分野は。
 しかし、どれが「うちの図書館に適してるか」っていうのは、基本に持つべき資料はある程度決まってる。あとは利用者の傾向しだい。
 しかも傾向って言っても、人気の本は需要で分かりきってる。貸出冊数至上主義で仕事してたら、所蔵するのは人気の本とその時のトレンドに偏りがち。あとは細かい部分の穴埋めでしかない。収集至上主義だったら、こんどは幾ら場所と予算があっても足りやしない。

 つらつら考えてみるに、昔は司書というのは需要があった。なぜなら、どんな本を読んだらどういう知識を得られるのか、知らない人が多かったから。学校は義務教育だけで高等教育を受けてない人たちが、何かあった時にどんなふうに調べたらいいのか、それがわからなくて図書館に走ってた。という可能性は高い。もしくはなにか楽しみに読書したくても、なにが面白いか知らない人たち。むろん、つい30年位前までは公立図書館て、税務署と同じくらいタカビーな姿勢で仕事してたけどね。

 しかし猫も杓子も大学に一応は行く時代になってしまった。司書よりうっかりすると知識を持つ人は沢山いる。ネットのサービスは拡充し、レファレンスサービスのお株を奪いつつある。書評も、新聞や雑誌にも載ってるし、アマゾンにも載っている。一般人がレビューをネットで書いて情報交換に勤しむ。それで情報を拾ってきた利用者が、リクエストする。それで需要がある程度はフォローできる。

 こうなったら果たして司書ってどれだけ存在意義があるのか。
 ただちんまりと事務所やカウンターの椅子に座って、あと書架整理してるだけじゃもう無理なんじゃなかろうか。

 やれることはなにか。外注に出してたら、もう仕事殆どないよ。

 本の小さな修理もきちんと出来るように。となれば、製本知識も技術もいる。蔵書管理も目録管理も今はもうコンピュータ無しでは不可能である。ならばコンピュータのハードの知識も、蔵書管理のプログラムの知識もいる。ネットに対するアレルギーなんて言っていられないから、情報処理の知識もいる。むろん、出ている本や統計について、ネット以前に頭にたたき込んでおかないといけない情報も必要。
 そして、電子書籍がいよいよ世界的に動き出してしまったら、そっちにも目配りが必要じゃないだろうか。

 こうやって見てると、司書ってスチュワーデス/スチュワードに似てるような気がする。スッチーたちよりはだいぶ前に「お高く止まってる」から「利用者の目線」まで就業姿勢は下りてきたけど(スッチーの傲然ぶりはまた別の勘違いがかなり大きいと思うがそこはいまは話の筋から外れるので略)。
 今まではちょっと憧れのお仕事、専門職、みたいな感じだったが、顧客が昔に比べてレベルアップしちゃったのである。そんなサービスなくてよろしい。と言われてるに等しい。

 司書は書店員となにが違うのか。蔵書案内なら、書店は新刊書から探して提供する。図書館なら過去のストックから探して提供する。古い本、絶版図書をどんどん図書館が捨ててしまえば、古い本なんて提供できない。それこそ国会図書館にいくか、たまたま電子書籍で出てこない限りは。ヘタしたらそれこそGoogleブックスの独壇場でしかない。
 となれば、やはり情報収集の窓口稼業しかないか。一般人では接続できないデータベースへの入口。

 あとはなんだろう。児童サービス?
 となると、保育所や幼稚園や学童保育のフォローか。そのほうがいいかも。図書館はある程度遅くまで開館してるのが多い。読み聞かせサービスなんてのはある程度かぶってる。
 でも、それこそ組織改編は物凄く揉めそうだなあ。保育所と幼稚園だけでも厚労省と文科省が綱引きしてるからなあ。

 貸出はどうなんだ、という声も聞こえてきそうだけど、今の状態で「図書館は無料貸本屋じゃない」と胸張って言えるのかと。あの「KAGEROU」、発売と同時に何冊買った? 「1Q84」出た途端に何セット買った? そろそろ新刊を出たと同時に買うのも辞めた方がいい。半年は待て。

 さて、こうなると、ほんとに何を以て司書の存在意義とするのか。





パスファインダーを作ろう?情報を探す道しるべ (学校図書館入門シリーズ (12))
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コメント(2件)

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体系的な知の提供と検索結果に責任を持てることではないでしょうか。このあたりは生身の人間でかつ専門職でないとできないはずです。
Piichan
2015/05/11 00:48
専門職って言っても。
たかが司書が、どれだけの情報網を握って利用者に提供できるか。本職の研究者じゃないんですし。所詮はプロのまわりをうろうろしてるレベルの可能性大です。門前の小僧以下と思います。

医学も法学も答えられない。医学ならせいぜい専門学会で専門医認定されている医者のリストまででしょう。
宿題の回答もできない。工業技術だってどこまで答えられるかは、書架に並んでいる資料と一般向けに公開されている技術情報をどこまできっちり読みこなしているかによります。しかも最新情報レベルで。日々の業務の中ではなかなか難しいです。レファレンス自体は挑戦する甲斐があるものが多いですが。

直接業務で文献を紹介するか、文献の探し方をレクチャーするか。
 利用者の血肉とするなら、文献の探し方レクチャーのほうが本当の意味で利用者のためになりそうな気がします。情報端末操作の能力にも寄りますが。

 文学とか文化宗教美術地理くらいなら、そりゃ趣味と実益で蓄積してきた上乗せ知識と「リアル生き字引」なぐーぐる先生に頼みこんで、さらに国会のストックとか都立のストックも使えるかもしれません。
でも利用者が持ってくる案件はそういうものばかりじゃありませんから。

「体系的な知の提供」とは、言うは易しですが行うのはそんなに簡単なものじゃないと思ってます。
そして「生身の人間で専門職でないとできない」なんていうのは、あまりにも自惚れじゃないかと思います。グーグルの検索と情報ストックの能力は人間じゃ追いつきませんから。
まるふう@管理人
2015/05/12 00:57

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